[監修済] ラクトトリペプチドを含む食品や効果的な摂り方について

ラクトトリペプチド

[監修済] ラクトトリペプチドを含む食品や効果的な摂り方について

乳酸飲料を開発する過程で発見されたラクトトリペプチドは、血圧を下げたり腸を整えたりする作用があるといわれています。ラクトトリペプチドが含まれる食品や効果的な摂り方、注意点について考えます。

ラクトトリペプチド配合の食品

アミノ酸が2つ以上結合したペプチドには様々な種類があり、摂り方にもいろいろあります。ペプチドを含む食品としてまず大豆ペプチドがあります。良質な必須アミノ酸をバランスよく含んでおり脂質代謝を促したり、筋肉へエネルギーを補給したりして疲労回復にも効果があります。魚に含まれる魚肉ぺプチドには骨粗鬆症や生活習慣病の予防となる成分が含まれているといわれています。さらに、牛乳に含まれるホエイペプチドには抗ウイルス、抗アレルギー作用が期待されます。

このようにペプチドには様々な種類がありますが、乳酸菌で発酵した発酵乳のなかから発見されたラクトトリペプチドとは性質が全く異なります。乳酸菌飲料を研究、開発する過程で見つけられた唯一無二の成分にラクトトリペプチドという名称が付けられました。現在も研究が継続されており、食品メーカーであるカルピスが販売する飲料やサプリ以外に食品から摂取することができません。仮に他のメーカーの商品があったとしてもカルピスの成分が使われているのです。

ラクトトリペプチドが配合されたトクホ商品

ラクトトリペプチドを含んだ飲料にはトクホに認定されている物もあります。最近CMでもトクホ認定という言葉をよく聞きますが、トクホと一般の食品にはどのような違いがあるのでしょうか。トクホとは特定保健用食品の通称で、個々の製品ごとに消費者庁の許可を受けて保険の効果を表することができる食品です。トクホ認定の食品は体の生理学的機能などに影響を与える成分を含んでおり、お腹の調子を整えることに役立つなどの特定の効果が科学的根拠を示して証明されていなければなりません。

ラクトトリペプチドはトクホ表示一覧のなかで「血圧が高めの方に適する食品」という項目に明記されており、その効能が認められています。つまり、トクホのマークがあるラクトトリペプチドを含んだ食品は確かに血圧を下げる効果があるということです。一般の健康食品やサプリメントと比較すると信頼度が異なるため、確かな効能を求める方は少し値段が高くても選ぶことでしょう。ただし、医薬品ではなくあくまでも健康が気になる方向けの食品の摂り方のひとつであることは覚えておきましょう。

ラクトトリペプチドが配合された栄養機能食品

ラクトトリペプチドが配合された健康食品には栄養機能食品の表示があるものもみられます。栄養機能食品は、不規則な生活や加齢などを原因として一日の目安摂取量として示されている栄養成分を摂取することができない場合などに、栄養成分の補給を目的としている人向けに栄養成分の機能を記載した食品です。大きくとらえるとトクホと同じ保健機能食品には位置づけられるのですが、個別に消費者庁の許可を受けているわけではなく、国が定める栄養成分規格基準の項目に1つでも適合していればメーカーが栄養成分の機能を表示することができるというものです。

栄養機能食品に位置づけられたラクトトリペプチド配合の商品には、「血圧降下作用」や「血管の軟化」などという言葉は使われておらず、ラクトトリペプチド自体の機能表示がしてありません。いずれにしても、健康食品、健康飲料、サプリメントは医薬品ではなくあくまでも健康な生活や気になる体の症状を改善するのをサポートしてくれる食品であることをよく認識してから活用するようにしましょう。

ラクトトリペプチドの摂取上の留意点

ラクトトリペプチドを含む食品は、栄養成分を発見、開発、研究したメーカーによって今後の様々な種類が市場に出てくることも期待できます。現在でも、トクホ、栄養機能食品、サプリ、乳酸菌飲料、野菜ジュース、スープなど多種多様な商品が市場に出回っています。喉が渇いた時に子どもでも気軽に飲めるジュースから確かな効能を期待して継続摂取するものまで、好みや個人の体調によって選ぶことができるのも魅力といえるでしょう。ラクトトリペプチドが配合されているものはいずれも食品であるため、摂取するタイミングに縛られることもありません。

トクホや栄養機能食品で目的をもって摂取するのもいいですが、特定の栄養成分のみを過剰に摂取して体のバランスが崩れないようにするのも大切です。血圧を下げる作用を期待してサプリメントはトクホ商品を継続摂取する際には、カリウムなどの同様に血圧を下げる効果があるサプリなどを一緒に摂取してしまわないように注意しましょう。どんなに効果が認められるサプリでも量や飲み合わせを間違うと体に害を及ぼしてしまいます。