[監修済] 太古の昔より利用されたプロポリスの免疫力

プロポリス

[監修済] 太古の昔より利用されたプロポリスの免疫力

プロポリスの効能は古くから知られており、海外では昔から研究がなされていました。しかし、近代医学の発展からしばらくその研究は行われず、最近になりその免疫力の高さから多くの研究がなされるようになったのです。

プロポリスとはいったい何？

プロポリスとは、ミツバチが自分たちの巣を守るために施す防護壁の役割を持つもので、植物の木の芽や樹木の皮から取った樹脂製混合物で、一般に「蜂ヤニ」と呼ばれているものです。植物の樹脂や木の芽から出る成分は、我々が薬などで活用する「ファイトケミカル」などで使われるように、ある種の効能を持ち合わせているものが多く、このミツバチたちが集める蜂ヤニも、非常に強力な殺菌作用や抗菌作用があるとされているものなのです。プロポリスの名称の意味はプロが前や守るという意味があり、ポリスは都市を意味していますので、都市を守るという意味で付けられた名称です。

ミツバチたちは、このプロポリスを巣の隙間部分を埋めるのに利用しており、その成分は樹木などの植物に由来している為に1種類ではなく多成分からなっています。プロポリスの特性としては、室温以上だと粘りけがあり、低温だと固くなるという性質を持っています。巣を構成する材料は、ミツバチたちが出す蝋分泌腺によるもので、俗に蜜蝋として知られています。この蜜蝋にプロポリスを付着させる事で、巣を守っているとされいるのです。

プロポリスの役割

プロポリスの研究は古くから行われていました。日本ではあまりなじみがなく、研究が行われ始めたのは20世紀に入ってからでした。日本にも、蜂蜜を採取するための養蜂業が行われていますが、日本ミツバチには、このプロポリスを作り出す性質が無いとされており、こうした行動を持っているのは、西洋ミツバチに限られています。プロポリスは樹脂の成分や自分たちの唾液に、ホルモンや花粉などを混ぜ合わされてできている物質で、人為的には作り出す事のできない物質と言われています。

このおもな成分は樹脂に含まれるバルサムが半分以上の割合を占めており、ワックス成分や油性物質に花粉などで構成されているとされ、含まれている成分は300種以上と言われています。しかし、人為的に作り出す事ができない事と、ミツバチたちがその土地の物で調達しているために、その土地によってその成分も大きく変わると言われています。特に湿度の高いブラジル産のミツバチは、ウイルスや細菌から身を守る免疫力効果の高い成分があるとされており、最高級品としてその取引がなされているのです。

プロポリスの歴史

プロポリスが使われた歴史はかなり古く、数千年の歴史があるとされ、古代エジプトにおいては、ミイラの腐敗防止に使われていました。また古代ギリシャや古代ローマ時代には、皮膚の疾患や感染症予防の免疫力向上に利用されて来たという記述も残されています。古代ギリシャ時代の、有名な哲学者であったアリストテレスは様々な自然研究を行っており、それらの業績から著書本である「万学の祖」の中で、プロポリスは皮膚疾患や切り傷に感染症など、すぐれた効果があると記述しています。

また、紀元前2000年頃に栄えていた北イラクの古代アッシリアでは、プロポリスを粉末状にして使ったとされており、腫れ傷や炎症のほか毛髪の発育促進に利用していたという記録も見つかっているのです。古くから漢方の盛んな中華圏ですが、こちらは「露蜂房」と呼ばれるハチの巣から取った黒い樹脂を、万病の薬とした説明が残されている事から、やはり古くから利用されていたと考えられています。近代でも使われていた形跡があり、戦争で負傷した兵士の傷口に、ワセリンとプロポリスを混ぜ合わせた薬が使用されています。

プロポリスの効能

海外の養蜂家たちは、長きに渡ってこのプロポリスが、ミツバチたちが寒さや雨水から巣の隙間を埋めるために、用いられていると考えられていました。しかし、これらを作らないミツバチの種類もおり、冬場も生き残るのが一般的にみられるために、現在では違った見方でこの利用法があったとみなされています。まず考えられるのは、巣の構造強度の補強と振動の軽減で、入口を塞ぐことによる巣の防御力の向上を目指しており、巣への病気や外敵である寄生者の侵入の阻止や、ウイルスや微生物が繁殖しない為の成長阻害があるとされています。

また、特異な事例としては、巣内に小さなトカゲやネズミが巣内に侵入し死んだ場合、運んで外へ捨てることは不可能な為、死骸をプロポリス内に閉じ込めることでミイラ化させ、腐敗の防止を行う場合もあります。プロポリスは、天然の抗酸化物質を多く含んでおり、腐敗防止に役立つほか免疫力にも効果があり、服用する事で風邪やインフルエンザにかかりにくい体質を作ると期待されています。また、ブドウ球菌や大腸菌の繁殖を抑える作用があり、食品には防腐効果があるのです。