免疫力や代謝を高めてくれることから健康や美容に活用されることの多いココナッツオイルがアトピーにもよい効果をもたらすと言われています。アトピーの原因や症状、ココナッツオイルの効果について考えます。
アトピー性皮膚炎とは
強いかゆみと掻き傷の跡、粉を吹くように真っ赤に腫れあがる皮膚など、アトピーの症状に悩む方はたくさんいます。最近では、生後間もなくの赤ちゃんがアトピーを発症するケースも増えていてこれというひとつの原因が特定されていません。その多くは、気管支喘息やアレルギー性鼻炎、結膜炎やアトピー性皮膚炎などを生じやすい体質の人に生じると言われており、小児期で発症した後に成長とともに軽快する場合と、重症化する場合の2つのパターンがあります。
ハウスダストに含まれるダニや食物に含まれる成分がアレルギーの元であるアレルゲンとなり、抗体として免疫グロブリンがつくられることから皮膚が炎症を起こすことが大きな原因であるといわれています。最近は複数の食物に対してアレルギー反応を示す子どもが増えていますが、なかでも卵や牛乳、小麦やそばなどの食物が原因となる場合やペットのフケや毛、皮膚の表面に存在するカビなどが原因となる場合があります。皮膚のバリア機能が損なわれてしまうため、よく汗をかく真夏や皮膚が乾燥する冬に悪化しやすく、衣類などの刺激で炎症を起こしやすくなるのでこまめなケアが必要であるといえるでしょう。
年代によるアトピーの症状
赤ちゃんや乳児のアトピーは、顔や頭、耳の付け根などに症状として表れることが多いようです。初めはあせもと見間違うような小さな赤いブツブツができて、次第に水分をもってジュクジュクしたものやかさぶたのようなカサカサしたものに変化します。赤ちゃんによくみられる乳児発疹と区別することが難しく、1、2歳になると完治することもあります。ただ、痒みを伴うので掻きむしって傷が残ってしまうことがあるので赤ちゃんの爪をこまめに切ってあげることが大切です。
幼児期に入っても湿疹が治らないようであればアトピー性皮膚炎を疑うことになります。この頃になると体や下肢に症状が広がっていきます。腕や足の関節の裏側などを中心に症状が表れ皮膚の広い面積を埋めるようになるので痒みに耐えるのも大変になることでしょう。ジュクジュクやカサカサだったものがガサガサの状態となりかさぶたの部分が厚くなっては掻きむしるということの繰り返しとなります。思春期以降になると肌の乾燥や痒みが一層ひどくなり、重症化、慢性化して正常な皮膚の部分が少なくなってしまいます。また、大人になると重症化して合併症を引き起こし、完治が難しくなるのでとても厄介です。
アトピーにココナッツオイルを塗る
ココナッツオイルは食用でも塗布することでもアトピーに効果があると言われています。まず、塗布することのメリットを考えてみましょう。正常な肌のターンオーバーは約28日程度ですが、アトピー症状のある方はそれを待たずに表皮が剥がれ落ちてしまうことが多くなってしまいます。肌細胞が成熟しきっていない状態で空気に触れてしまうことでハウスダストなどの異物に対する免疫反応が過剰となり症状が悪化してしまうのです。ココナッツオイルには優れた肌への浸透性と老廃物を血液中に溶かして排出を促す働きや肌の保護をしてくれる作用があります。塗布することで保護、保湿が可能となり、乾燥による痒みを抑えることができると言われています。
ココナッツオイルの代表的な成分のひとつであるラウリン酸は母乳にも含まれる成分であり免疫力を高めてくれると言われています。アトピー性皮膚炎の肌の表面に増殖しがちな黄色ブドウ球菌は症状を悪化させる原因とされていますが、ココナッツオイルを塗布することで黄色ブドウ球菌の増殖を抑制してくれるため症状の緩和が期待できるのです。ココナッツオイルに含まれるビタミンEやその他の成分もこの働きに関係していると言われています。
アトピーにココナッツオイルを経口摂取する
ダイエットにも効果があるため美容のためにサラダ油やバターの代わりにココナッツオイルを摂取する人が増えています。アトピーにも塗布するだけでなく、経口摂取することで効果があると言われているのはなぜでしょうか。アトピーは、ハウスダストや食物に含まれる成分など様々な要因によって発症するとされていますが、一説には腎臓や肝臓の解毒機能が低下していることが皮膚症状の悪化に影響しているとも言われています。ココナツオイルには、腎臓や肝臓を機能を高めるとともに便秘を解消してくれる働きがあるとされているので、摂取することによって老廃物の排出を促進するとともに腸内環境を整えて肌トラブルを予防する効能があると期待されています。
このようにココナッツオイルは塗布することでも、経口摂取することでもアトピーの症状の緩和に期待ができるため肌が気になる方はさっそく試してみることをおすすめします。どのように使用するかにかかわらず、やはりオイルは100%無添加のヴァージンオイルを選んだ方がいいでしょう。不純物が含まれるものもないとは言えないので世界基準の検査をクリアした物の方が安心できます。また、肌に塗布する場合は合わない方もいるのでパッチテストをしてから使いましょう。
「健康や美容にいいといわれるココナッツオイルのアトピーの効果について」のまとめ
ココナッツオイルには、アトピーが悪化する原因の一つと考えられている黄色ブドウ球菌の増殖を抑制し腎臓や肝臓の機能を高めてその症状を和らげる効果があり、塗布、食用の2つの方法で摂取することができます。