ビフィズス菌は有用菌で、腸内フローラを育てる事に活躍するだけではなく、人体に様々なメリットをもたらしてくれる事がわかってきました。最近は口臭に効くという事で、サプリも出回っていますが効果の程はどうなのでしょう。
細菌と口臭の関係性
日本人は元々体臭が少ない民族で、わきがも総人口の1割も居ません。これに対して白人のわきが率は高く、7割がわきがと言われ、黒人に至ってはほとんどの方がわきがと言われています。同時にわきがに関して、外国では寛容ですが、わきがの少ない日本人は体臭に敏感ですので、苦情の対象になっています。これは口臭に関しても同じ事が言えます。日本には、世界に類をみないほどのデオドラント商品が蔓延しているのもこのせいで、日本国民は非常に匂いに敏感な民族と言えるでしょう。
口臭のおもな原因には、虫歯菌による繁殖や歯周病菌、食べかすが残って雑菌が繁殖する匂いや、ニンニクなど強烈な匂いなどが残るなどの原因があります。また、舌に汚れが溜まっている場合や歯石の沈着、胃が荒れている場合などにも、こうした口臭の元になっています。これらの原因のほとんどが、細菌による影響が多く、自分の匂いがあまり感じられない為に、その被害が拡大してしまう事も多いのです。最近はスメルハラスメントとして、問題視される事もありますので、口臭対策には気を配らなければなりません。
ビフィズス菌と口臭
腸内細菌として有用なビフィズス菌ですが、1種類だけではなく多くの種類が存在しています。発酵乳食品に多く含まれているものは、主にビフィダム種やブレーベ種、ロンガム種にインファンティス種などがあり、人間に分布していないものでは、酸に強いラクティス種などが知られています。口内にも腸内フローラと同じく、環境作りをする口内フローラが存在しています。つまり、腸内環境と同じく善玉菌が多いと口臭が少なく、悪玉菌が多く繁殖すると悪臭を出すのです。
口内の場合は腸内とは違い、それぞれ実感できると思いますが、食事を終えてしばらく何も口にしていない時など、口内が匂いで気持ち悪くなったり、口内に水分が無くなり口臭が気になる事があるでしょう。原因としては、唾液が少なくなる事やデンタルリンスや薬品による作用、添加物の入った食品の摂取や、口内を不潔なままで放置している事が考えられます。特にデンタルリンスは口臭の原因となる雑菌を消し去り、口内を清潔に保つ事で使われますが、善玉菌も同時に洗い流してしまう為、原因菌が残っているとすぐに繁殖してしまうという事が起こります
口臭の原因菌はこいつらだ
口内には細菌が常駐していますが、せっかく綺麗に磨いたつもりでも、悪玉菌が残っているとこれが繁殖していき口臭の原因となってしまいます。特に悪臭のもとになっているものは、虫歯菌である「ミュータンス菌」と呼ばれるもので、甘いものが大好きな菌です。特に上白糖などの糖類は甘みも強く、ミュータンス菌の餌には最適で、この菌は糖分を餌にして粘り気のある乳酸を放出します。乳酸は腸内にとっては有効な成分のひとつですが、口内では歯を溶かす原因となる物質で、虫歯を加速させてしまうのです。
虫歯になった部分には雑菌が繁殖し、強い口臭の元になってしまい、ほっておくと虫歯が進んでいくのです。このミュータンス菌に一度感染してしまうと、除去はかなり難しいものとなります。歯の構造は複雑ですので、隙間に入り込んだ菌は容易に取り出す事ができないのです。また、歯周病の原因となるジンジバリス菌は、食べかすが大好きでメタンや硫化水素を排出する事で、口臭の最大の原因となっています。嫌気菌で歯石と言われるプラークに潜み、出血さえも栄養分に変えてしまう恐ろしい菌なのです。
ビフィズス菌と乳酸菌
ビフィズス菌と乳酸菌をよく混同される方がいますが、これらは別々の働きをしており、ビフィズス菌などが悪玉菌を攻撃するのに対して、乳酸菌は悪玉菌を攻撃する事はありません。しかし、サポート役に徹しており、善玉菌が増えるのを手伝う働きをしているものです。腸内細菌を増やしていくには、善玉菌のエサになるオリゴ糖の他にも、腸の働きをよくする食物繊維を取る必要があります。特に繊維質が豊富な芋や海藻類はカロティンやヨードが補給できるほか、豆類やキノコ類に牛蒡やコンニャクなどは最適な食物繊維と言えるでしょう。
また、人参やリンゴにバナナなどには、ビフィズス菌を増やすと言われている「ビフィズス菌増殖因子」があると言われています。しかし、口臭予防するには腸内細菌を増やしても、効果が無いのが現実なのです。ヨーグルトなどを口にすると、効果が出そうですが、多少の効果はありますが、元々分子構造が大きすぎる為、長続きはしないのです。最近は口臭予防対策に、こうした良性の善玉菌を配合したタブレットが開発されていますので、こうしたものを利用すると効果てきめんです。
「ビフィズス菌が口臭に効果があるのは事実なのか」のまとめ
ビフィズス菌が、口臭対策に応用できる事がわかってきました。しかし、口内は絶えず飲み物や食べ物により環境が変わりますので、口臭対策用にはタブレットの使用をお薦めします。即効性もあり有効な手段となるでしょう。