ナイアシン

[監修済] ナイアシンには血行を促進させる健康効果がある

ナイアシンのすぐれた効能の中には、血行を促進させるという効果があります。実際に、その働きと効果のほどを見てみましょう。

ナイアシン不足で起こる病気

ビタミンB3であるナイアシンは、栄養の偏りが行わなければ一般に不足する事はありませんが、この効能が解き明かされるまでには、ビタミン不足による深刻な状況もあったのです。ビタミンB3不足による影響は、欠乏症となって現れる病気が知られており、ペラグラなどの皮膚炎や口舌炎、下痢などの胃腸障害が起こるほか神経症状にも影響があると言われています。ペラグラは病名の事で、代謝内分泌疾患の一つです。18世紀から20世紀の初頭にかけてヨーロッパで猛威を振るった病気で、イタリア癩病やアストゥリアス癩病などと呼ばれ、庶民の間では原因不明の難病として恐れられていました。

1937年になって、その原因がわかるまではビタミンB3不足による諸症状がおき、日光に当たることが発症のきっかけでした。始めは光線過敏症が起こり、顔に左右対称の赤い発疹が出る事で症状が始まり消化管全体に障害が起き、吐き気や嘔吐に便秘や下痢などの症状が現れます。また、口内炎が生じたり喉や食道にも炎症が起こり、疲労や不眠に無感情などがおきて、脳の機能不全による錯乱や意識の喪失、幻覚や健忘などが起こりました。

ナイアシンの血行を促進する効果

ビタミンB3であるナイアシンには、血行を促進する事で血液の流れを良くする効果があります。皮膚の細胞まで栄養が行きわかる事になりますので、結果としてお肌の新陳代謝が促されるという、美容効果があるのです。また、肌の細胞が活性化されますので、紫外線などによる日焼け防止効果や、加齢による老化のシミやソバカスなどにも有用な効果を示し、毛穴の黒ずみやくすみなども改善されていくという効果があると言われています。血行を促進しますので、肩こりにはもちろん冷え性や頭痛を和らげるという効果も持っているのです。

また、血液中のコレステロールの数値を下げる効果もあり、中性脂肪を下げる薬効もありますので、生活習慣病の予防対策にも寄与していると言うわけなのです。インシュリンの合成にも関わっており、糖尿病の対策にもなりますが、サプリメントなどで大量に摂取してしまうと、摂り過ぎによって糖分の代謝を、かえって悪くしてしまうという弊害も報告されていますので、服用の際には気を付けなければなりません。糖質の代謝が悪くなると、かえって糖尿病になり易い体質にもなりかねないからです。

ナイアシンとトリプトファン

実はこのナイアシンは、「トリプトファン」という必須アミノ酸を原料にして、体内でも合成されているのです。このトリプトファン自体は、人間が体内では作り出す事は出来ませんので、食事によって摂取していかなければならないものなのです。トリプトファンは、蛋白質に含まれているアミノ酸ですので、どの食品でもとる事が可能ですが、牛乳やチーズなどの乳製品や納豆を含む大豆製品に多く含まれており、白米にもすべての肉類にも含まれています。トリプトファンは、三大神経伝達物質の一つである「セロトニン」の原料でもある為に、体内でも特に重要な役目を果たしていると言えるでしょう。

セロトニンは、幸福ホルモンと呼ばれているものでもあるので、健康的にトリプトファンを摂取していく事で、健全な肉体と心を安定させる役目を果たしていたのです。また、副交感神経に働きかける「メロトニン」の原料にもなっており、体内時計と連動する事によって、体内に一定のリズムを作り出しているのです。その働きは寝る前に顕著に現れ、脈拍や体温に血圧といった調整機能に働きかける事によって、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。

ナイアシンの有効利用法

ナイアシンを過剰摂取すれば、神経過敏や頭痛、腸けいれんに下痢などの副作用があるうえに、肝機能障害を起こす事がわかっています。また、過剰摂取によって尿酸値や血糖値を上げる効果がありますので、大量に摂取してしまうと、糖尿病や通風などの引き金になってしまう事もあり得るのです。通常の食生活では、こうした過剰摂取は起こりませんが、大量にサプリメントを使用したり、一定の偏った食事を行う事によって、そうした症状が引き起こされる事があります。

また、ナイアシンはニコチン酸ビタミンとも呼ばれ、うつ病などにも効果があります。実際にこうした精神疾患にも使われており、統合失調症の治療にも利用されているのです。体内で一定量を保つには、自分の摂取カロリーを維持する事だ大事です。摂取量というものは人間の体重によって変わりますが、肥満の方は幾ら体重が重いと言っても、脂肪が多いだけですので体重によるカロリーオーバーは、非常に危険な行為と言えるでしょう。また、動物性のものはBCAAと呼ばれるアミノ酸の阻害をしやすいという事もありますので、植物性の蛋白質も十分に取って行かなければなりません。

「ナイアシンには血行を促進させる健康効果がある 」のまとめ

ナイアシンは血行を促進し、現代病と言われている生活習慣病を改善する働きも持っています。多少大目に摂り過ぎていても問題が無いものですが、ダイエットを行っている方は、欠乏症にはお気を付けください。

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