ハーブティーとして女性にも人気のネトルには多種多様な栄養成分が含まれています。ネトルの特徴や成分、また、どのような効果・効能があるかなどについて、その摂取の仕方とともに考えます。
ネトルの特徴
ハーブティーなどでもポピュラーなのでネトルという名前には馴染みがある方がいらっしゃるかもしれません。ネトルはヨーロッパ原産のハーブであり、北アメリカやヨーロッパに自生する繊維質の多年草です。欧米では昔から植物療法に欠かすことができない重要なハーブとして主に葉の部分が使用されてきました。また、守護のパワーがあるとも信じられており、家の周りに置いたり、小分けにしたものを持ち歩いたりしてお守りとして用いられていたこともあるそうです。
ネトルは干し草の香りがする緑茶のようなハーブで、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富だといわれています。植物由来の天然成分であることから薬物摂取に制限がある妊婦さんが用いたり、病気の人の健康回復のためにベッドの側に置いたりして使用されてきた長い歴史があります。その始まりは2000年以上も昔の古代ギリシア時代というので真に長い間にわたって愛用されてきたことがわかるでしょう。薬のように副作用を心配することがなく、体質を根本的に変えることが期待されているため上手に活用したいものです。
ネトルの豊富な栄養成分
ネトルは抗アレルギー作用のあるヒスタミンが含まれていることからアレルギー性症状の緩和に効能があるといわれています。ネトルにはその他にも、ビタミンC、β-カロテン、クロロフィル、鉄分、マグネシウム、クエルセチンなどのフラボノイド、葉酸、カリウム、カルシウム、ケイ酸など様々な栄養成分が豊富に含まれています。なかでも、豊富に含まれるケイ素はカルシウムとともに丈夫な骨格作りや歯や髪、爪などを健康に維持するために大きく寄与しています。
ハーブティーでもお馴染みのネトルは、日本では西洋イラクサとも呼ばれ育てやすいことから家庭ハーブ園での栽培にも向いています。ただ、鋭い棘があり触れると激痛と腫れがしばらくの間続くこともあるので取り扱いには注意が必要となります。ドライハーブやサプリメントを活用すると危険もなく手軽に豊富な栄養成分を摂取することができるのでおすすめです。薬ではないので肝臓に負担を与えることもなく副作用を気にすることがないのも大きな魅力となっています。
ネトルの効能
ネトルにはヒスタミンが含まれているため、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、花粉症などに効能があるとともに、積極的に老廃物の排出を促進して血液を浄化する作用があるといわれています。また、血流を刺激して血行を促進してくれるため、痛風やリウマチ、関節炎などの症状の緩和に効果があるとともにケガの早期回復にも寄与します。ヨーロッパでは古くから、春先にダンデライオンなどの他のハーブとともにネトルを摂取して体質改善を図る療法にも用いられています。
ネトルには鉄分が含まれているだけでなく体内に鉄分を効率よく補給することができる成分が備わっているため造血作用にも優れているといわれています。植物から摂取する鉄分は通常、体内吸収率があまりよくなく鉄分の補給には効率が悪いものなのですが、ネトルには豊富な鉄分だけでなくビタミンCが含まれているため鉄の吸収を促進します。また、複数のフラボノイドも豊富に含まれているため鉄イオンを溶かして吸収を高める働きもあります。女性の悩みのひとつである生理時の出血量の調整にも寄与しています。
ネトルのハーブティー
ネトルには消毒作用があり、風邪やインフルエンザなどの感染性の病気から体を守ってくれるといわれています。また、強壮作用もあるため免疫力や自然治癒力も高めてくれてみなぎる活力の源となります。抗アレルギー作用があるため、花粉症の対策などにハーブティーを服用している方もいます。最近では花粉症の薬も改善が進み、眠気や頭のぼんやり感などが軽減されたものが販売されていますが、副作用や常用することの不安からネトルのハーブティーを日常的に服用している方も多いようです。
ネトルのハーブティーは植物由来の天然成分であるため、子どもや妊娠中、授乳期の女性でも安心して服用することができます。ネトルは独特の風味があり、土臭さに敏感な方にとっては飲みにくさが感じられるため他のハーブをブレンドしたり、甘味をたしたりして飲むこともできます。ただ、飲みやすくアレンジするということはネトル本来の効能が弱まることにもつながるため、長期的に摂取して体質を根本的に改善したいと考えている方はサプリから摂取するのもひとつの方法といえます。
「ハーブティーでも人気のネトルの特徴や効能などについて」のまとめ
花粉症やアレルギー性鼻炎などの症状の緩和に効能があるといわれているネトルには実に多くの栄養成分が含まれていて、浄血や造血、感染症の予防とともに根本的な体質改善にも期待することができます。