リモネンはレモンが語源の香り成分【その効能と摂取方法】

リモネン

リモネンはレモンが語源の香り成分【その効能と摂取方法】

リモネンは、爽やかな香りが特徴の柑橘類の表皮に多く含まれている成分です。リモネンにはその特徴でもある香りによるリラックス効果だけではなく、様々な効能があるといわれています。スキンケアにもよいといわれるリモネンの特徴や効能、摂取の仕方などについて考えます。

リモネンの特徴

リモネンはレモンやオレンジなどの柑橘類の皮に豊富に含まれている香り成分で300種類以上の植物で産生されているといわれています。レモンを語源の由来とするリモネンの独特の爽やかな香り成分は古くから幅広く利用されており、植物に含まれている化学成分で健康への効果が期待されている第7の栄養素、ファイトケミカルの一種としても知られています。リモネンは柑橘類の果実ではなく表皮面に多く含まれており、オレンジは表皮の95％の成分がリモネンであるといわれています。

リモネンは果実の皮を食用として摂取したり精油成分をアロマテラピーに利用したりする他に、発泡スチロールのリサイクルにも活用されています。食品トレーや運搬の際の緩衝材として幅広く使用されている発泡スチロールは、軽くて便利で使いやすいものですが、使用後に焼却すると有害物質が発生するおそれがあります。最近ではリモネン液に発泡スチロールを浸して溶かす処理方法が主流となり環境保護にも貢献しており、今後、このリモネン処理が世界規模で普及することが期待されています。

リモネンの効能

リモネンの効能としてまずあげられるのがリラックス効果です。リモネンの香り成分を摂取するとリラックス時の脳に現れるα波が出ることがわかっており、リラックス効果やストレス状態の緩和に効果があるといわれています。また、柑橘類の爽やかな香り成分は、交感神経を刺激して新陳代謝を高める作用もあり、眠気を取って頭をスッキリとさせる効果も期待されています。さらに、リモネンには免疫細胞の働きを整えて免疫力向上にも効果があるといわれており、ガン細胞の遺伝子の働きを抑制し予防したり、ガンの転移や再発の予防をしたりするのにも効果が期待されるのではないかと注目が集まっています。

リモネンには唾液の分泌を促して消化吸収を高めることから食欲増進の効果があるともいわれています。また、胃粘膜を保護する作用もあることから総合的に適切な食事環境を整えて栄養分を効率よく摂取することに貢献しているといえるでしょう。さらに、リモネンが交感神経を刺激して血行をよくすることから、体内の代謝も高まるため脂肪の燃焼が促進されてダイエットにもつながることが期待されています。

リモネンのスキンケア効果

リモネンはそのさわやかな香りから清涼飲料水やガムの香料としても使われているほか、汚れを落とす効果があることから台所用洗剤やヘアケア商品にも多く使用されています。なかでも、リモネンには髪の健康を維持する効能があるといわれており、抜け毛や薄毛の原因といわれている5α-リダクターゼの活性を抑制して育毛を促してくれます。また、抗菌作用にも優れていることからシャンプーなどのヘアケア商品を活用して、頭皮の脂や汚れを落としてフケや痒みを改善する効果もあります。

クリームなどの化粧品にも多く配合されて有効成分の肌への浸透をサポートしています。柑橘類の精油には光毒性があるものもみられるため、成分濃度が高い場合や紫外線が強い際にはやけどを起こすことがあるので、肌に直接塗布する場合は長時間日光を浴びることは避けるようにしましょう。また、リモネンのエッセンシャルオイルは肌への効果とともに香りにより神経の興奮を鎮めたり、ストレスや不安を解消したりする効果もあるため、就寝前に利用すると熟睡することもできます。

リモネンの摂取

リモネンはレモンやグレープフルーツ、オレンジなどの柑橘類の皮に多く含まれています。和食を食べる際に刻んだゆずを薬味として使用することがありますが、一般的に柑橘類の皮には苦みがあるため生で食べるのには向きません。マーマレードやベジブロスなどに加工すれば皮を食べることも可能でしょう。ただ、輸入物に限らず柑橘類の表皮には農薬の成分が残っていたり、ツヤをだすための処理や防腐処理がなされていたりするため、生の果実からリモネンを摂取する際にはオーガニックなものを選ぶようにすることも大切です。

他の栄養成分と一緒にリモネンを効率的に摂取するのにレモンもおすすめです。ビタミンCを多く含むことで知られているレモンですが、それ以外にもエリオシトリンやヘスペリジンも含まれており高い抗酸化作用の効果を期待することができます。また、クエン酸による疲労回復効果も得られるため、レモンのハチミツ漬けなどで皮に含まれるリモネンとともに摂取すると一層効果的といえるでしょう。