グルタミン酸は脳や皮膚の角質細胞のなかにも多く存在するアミノ酸の一種で身近で親しみのある日本の食品にも多く含まれています。適切な摂り方を知って脳の活性化や免疫力の向上に努めましょう。
日本人には馴染みの深いグルタミン酸
世界遺産にも登録されこれまで以上に世界からの注目を浴びている日本食ですが、私たちに身近な日本の食品にも多く含まれているのがグルタミン酸で、昔から意識することなく摂取されてきたもののひとつです。20世紀の初めに、それまで「甘味」、「塩味」、「辛味」、「酸味」の4つしかなかった味に新たに「旨味」が加えられ、この旨味は、グルタミン酸とナトリウムが結合することによってより増すことが明らかにされました。
旨味成分が明らかにされたことによって商品開発も進み、現在でもお馴染みの化学調味料が生まれました。化学調味料に配合されるのはグルタミン酸ナトリウムですが、グルタミン酸はさとうきびやでんぷんなどを発酵させたものから抽出されることが多いものです。日本食には欠かせない出汁の成分として天然の食品にも多く含まれていて、毎日和食を欠かさないという食習慣が身についている人は何らかの形でグルタミン酸を補給しているといえるでしょう。
グルタミン酸に期待できる効果
グルタミン酸は脳内にも多く存在し、グルタミン酸を補給することによって脳の働きを活性化してくれるため速効性のある脳のエネルギー源として期待できます。飲食物を体内に取り込み消化・吸収が行われる際には臓器から毒性のあるアンモニアが生成されます。このアンモニアは肝臓で解毒され尿として排出されるので問題はないのですが、このアンモニアをいち早くとらえグルタミンを合成してくれるのがグルタミン酸なのです。有毒なアンモニアが解毒、排出されることによって疲労が回復され、免疫力が向上する効果も期待できます。
疲労が回復し免疫力が向上するということは抵抗力のある体づくりを促してくれるということになるので、ストレスに強くなったり、リラックス効果が得られたりすることにも効果が期待できるといえるでしょう。また、グルタミン酸などのアミノ酸は皮膚の角質層にも多く存在し肌の保湿にも機能しています。適切な量を補給することによってタンパク質の合成を促し美肌効果を得ることもできます。
グルタミン酸が多く含まれる食品
グルタミン酸を含む食品はとても多く、あれこれと摂り方を考えて苦労する必要はありません。小麦や大豆のほか、干し湯葉や焼きふ、かつお節や高野豆腐、しらす干しやごまなどの日本料理の定番といわれる食品に多く含まれているのも嬉しいポイントです。グルタミン酸が含まれている食品を意識して取り入れることで自然に食のバランスがヘルシーな物となっていくのではないでしょうか。簡単においしく摂取できるというのが何よりも魅力といえるでしょう。
グルタミン酸は日本食の材料として使われる食材だけでなく、ナチュラルチーズやトマト、アーモンドやプロセスチーズ、乾燥したマカロニやスパゲッティにも多く含まれているため、トマトのパスタやピザなどのイタリアンでもおいしく摂取することができます。グルタミン酸が5000以上結合した物をポリグルタミン酸とよび、その代表的な食品がネバネバと糸を引く健康食品、納豆です。他の旨味成分であるイノシン酸やグアニル酸が含まれる食材と一緒に料理すると相乗効果によりさらに旨味成分がアップしよりおいしくなるといわれています。グルタミン酸を含む食材と魚や肉、きのこ類との相性は抜群といえ、摂り方を工夫するだけでよりおいしい料理を楽しむことができます。
グルタミン酸摂取のタイミングと量
様々なよい効果をもたらしてくれるグルタミン酸ですが、他の栄養素と同様にその摂り方には注意する必要もあります。1日に10g~15gを目安に摂取しますが、一日に何回かに分けて摂る方がいいといわれています。グルタミン酸の過剰摂取は、神経の高ぶりや手足のしびれ、化学調味料に配合されるグルタミン酸ナトリウムも摂り過ぎると頭痛や手足のしびれの原因になるともいわれているため適量を摂取することが大切です。
通常であれば起床後や就寝前に分けて摂取するのがいいでしょう。筋トレなどを毎日して筋肉を鍛えている人であれば、タンパク質の合成を効率よく促すためにトレーニング中とトレーニング後に分けて摂取するといいといわれています。毎日の食事できちんとグルタミン酸を摂ることができない人や筋肉を鍛えている人、疲労回復などを目的として継続的にグルタミン酸を摂りたい場合には、サプリメントを利用するのが便利といえるでしょう。
「食品にも多く含まれているグルタミン酸の効果と摂り方について」のまとめ
毎日摂る食品でも補うことができるグルタミン酸は、能の働きを助けてくれるとともに体を中からきれいにし免疫力をアップしてくれる優れ物です。摂り方に留意して健康な体を維持できるようにしましょう。