[監修済] 微量で事足りるけど人間の体に絶対必要といわれるクロムについて

クロム

[監修済] 微量で事足りるけど人間の体に絶対必要といわれるクロムについて

ミネラルを摂取することの重要性についてはよく知っていますがそのなかでも微量ミネラルといわれるクロムが人間の体にどのような働きをしてくれているのか、どのように摂取すればいいのかについて考えてみましょう。

クロムは微量だけど必要

三大栄養素といわれる炭水化物、タンパク質、脂質にビタミンとミネラルを加えて五大栄養素は積極的に摂取すべきものであるといわれています。そのなかでもミネラルは、自然界には存在するものの人間の身体の中で生成されることがないため、必ず食品などから経口摂取しなければなりません。クロムは別名「代謝のミネラル」ともいわれ微量であっても人間の体に必要不可欠な栄養素のひとつです。一日の摂取量が100㎎以下で補えるため主要ミネラルと区別して微量ミネラルといわれます。

微量で体の代謝全般を助けてくれるクロムは通常の食生活をしていれば欠乏することはありませんが、偏った食生活やミネラル不足などが続くと欠乏状態となり、糖の代謝に異常をきたしてしまいインスリンの分泌が促されずその機能が低下してしまうことから糖尿病のリスクが高まることになります。また、成長期にある子どもにクロムが不足してしまうと代謝機能の低下により正常な成長を阻害してしまうことにもなりかねません。微量しか必要としないけれどもなくてはならない重要な必須ミネラルなのです。また、妊娠中は胎児にクロムが移行しやすいため積極的に摂取することが望ましいともいわれています

クロムに期待できる効果

クロムは体内に吸収されると糖たんぱくと結合し糖質代謝などで全身の代謝を助ける働きをしてくれます。血糖値をコントロールするために分泌されるインスリンなどの分泌を助け糖尿病などの成人病や生活習慣病を予防してくれる効果が期待できるといわれています。クロムが欠乏すると血液中の余分な糖をグリコーゲンなどのエネルギーに変えて蓄積することができず、常に血中糖度が高い状態となってしまい最悪の場合には糖尿病を発症してしまうことにもなってしまいます。

年齢を重ねるにつれて高血圧や動脈硬化などを心配するようになります。クロムは糖質代謝のほかにもコレステロールやタンパク質、脂質や結合組織などの代謝全般に関わっており、全身の代謝のために微量であっても人間の体になくてはならないものです。クロムを適切に摂取することで中性脂肪や悪玉コレステロールを下げることができるため動脈硬化や高血圧の予防にも効果があるといわれています。

クロムとダイエット

クロムサプリを使ってダイエットしているという話を聞くことがありますがどういうことなのでしょうか。ダイエットを目指す際に食事療法とともに適度な運動を勧められることがあります。それは、ついてしまった脂肪を燃焼させるとともに筋肉を強化して効率的にエネルギーが消費されるようにするためです。炭水化物ダイエットが話題になっていますが、これは炭水化物が不足すると身体が脂肪を分解してエネルギーとして消費させようとするもので効果はあるかもしれませんが、無理をすると極端な血糖低下などをまねいてしまい危険な状態になることもあります。

クロムは身体全体の代謝を促しながら緩やかに脂肪を分解していくため必要量の摂取を継続するのであれば身体に負担をかけることがありません。炭水化物を抜くなどの極端な食事療法を実践しなくてもクロムを摂取して運動をすれば糖質が燃焼しやすい代謝のいい体質となっているため、結果ダイエットの効果が出やすくなるといえるでしょう。クロム自体に脂肪を燃焼させ、筋肉を増強する働きがあるのもダイエットに活用される理由なのかもしれません。

クロムを多く含む食品

クロムは野菜や肉、魚や穀類、乾燥わかめや乾燥ひじき、干し物など幅広い食品にふくまれているため、バランスの良い食生活を送っていれば不足してしまうことはありません。クロムはミネラルのなかでも吸収されにくいことでも知られていますが、ビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取することで吸収率を上げることができます。逆に糖分を過剰に摂取するとクロムの排出が促されてしまうので注意が必要です。

クロムはシュウ酸やフィチン酸を多く含まれる食品と一緒に摂取すると吸収されにくくなります。ホウレンソウやサトイモなどがそれに含まれますが、シュウ酸は野菜のアク成分なので軽くゆがくことで除去することが可能なのでそれほど神経質になることもないでしょう。フィチンは米ぬかやゴマなどに含まれているので、玄米食ばかりを続けているとクロムの吸収が抑えられてしまうことになります。食べ物で上手にコントロールすることができない方は、サプリで適量を継続して摂取するのもひとつの方法といえるでしょう。