ポリアミン

[監修済] 細胞の生まれ変わりに大きく関与するポリアミンの働きや効能について

ポリアミンは細胞をもつ様々な生物の体内に存在する成分で、細胞が生まれ変わる際に必要不可欠なものといわれています。ポリアミンとは何で、健康とどのような関わりがあるのかその働きや効能を考えます。

ポリアミンの特徴

ポリアミンはアルギニンオルニチンというアミノ酸の一種によって体内で合成される成分であり、分子のなかにアミノ基を2個以上もつ炭化水素の総称です。ポリアミンは体内に20種類以上存在するといわれており、主に細胞の生まれ変わりに関与しています。代表的なものとしては精液から発見されたスペルミンのほか、スペルミジンやプトレスシンなどがあり、最初に発見されたのは、細胞の新陳代謝に関わるスペルミンです。スペルミジンは細胞の新陳代謝に働く酵素を活性化する作用、プトレスシンはポリアミンのなかでも最も単純な構造で腸内酵素の影響を受けてほとんどが分解されます。

ポリアミンは人間だけでなくウイルスをはじめとする細胞を持つあらゆる生物の中に存在している成分であり、細胞の分裂や増殖、細胞分裂に伴う遺伝子のコピーなどの重要な役割を担っているためポリアミンが欠乏すると新陳代謝を正常に行うことができなくなります。また、ポリアミンは血管壁の炎症や動脈硬化の予防などにも効果が期待されているとともに前立腺や膵臓、唾液腺などにおいて精子や酵素を生成するのにも大きく関わっています。ポリアミンは非常に小さな分子なので経口摂取により体内に取り入れられても分解されることなくそのまま腸へ到達でき吸収できるというメリットがあります。

ポリアミンが老化を防ぐ

人間の体内には約60兆個もの細胞が存在しているといわれており、ひとつひとつの細胞が一定のサイクルで生まれ変わることによって健康な生活が保たれています。全ての細胞は、細胞の設計図としての働きをもつDNAと実際に細胞を構築するRNAが互いに作用しあうことで新しい細胞へと変化しているのです。ポリアミンが細胞の生まれ変わりに深く関わるといわれるのは、細胞分裂が行われる際に古い細胞内の遺伝子のコピー情報を生成したり遺伝子情報を正確に翻訳したりする役割があるからです。

ポリアミンを摂取することによって新陳代謝が促進されると過剰に発生する活性酸素の影響を受けにくくなり細胞の錆つきを防いでくれます。最も効果が実感できるのが肌の状態であり、彼とともにシミやしわ、くすみなどができやすくなるのを防いでくれます。肌細胞の生まれ変わりのサイクルは、20歳頃で30日前後、30代を過ぎると45日程度といわれており、加齢とともにこのサイクルが長くなっていくことで様々な肌トラブルが生じます。ポリアミンを摂取することによって新陳代謝が促進され肌の透明感をアップしてアンチエイジングに効果があるといわれています。

ポリアミンと動脈硬化

加齢にともなう老化は肌だけでなく血管や骨、臓器など体内の様々な組織で起こるため様々な病気を引き起こす原因になる可能性があります。様々なリスクを伴うとよくいわれる動脈硬化は血管が老化することによって起きる状態ともいえ、血管のしなやかさを失い血管壁が厚く固くなってしまい、進行すると血栓をつくって脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす危険性があります。この動脈硬化を引き起こす原因のひとつといわれるのが酸化LDLコレステロールによる血管内の炎症です。酸化LDLコレステロールは活性酸素の影響を受けて悪玉コレステロールが酸化されたものであり、この活性酸素は喫煙や飲酒、紫外線やストレスなどの様々な要因によって発生します。

活性酸素は体内にはなくてはならないものでもありますが、加齢とともに過剰状態となるために血管内の炎症が慢性的に起きてしまうのです。ポリアミンは血管内の炎症を抑制する効能があり動脈硬化の初期症状を抑制する働きがあるといわれています。肌に作用するように器官を若返らせる働きがあるため若返り物質とも呼ばれることがあります。

ポリアミンの摂り方

細胞を若返らせる、いわば長寿のために欠かすことができない物質がポリアミンであるといえ、食品としては和食の定番として古い歴史をもつ納豆に多く含まれています。現代でも栄養豊富な発酵健康食品として知られていますが、弥生時代にはすでに納豆が存在したことが明らかになっています。どの時代でも良質なタンパク源として重宝されてきましたが、最近では特に、高いアンチエイジング効果があるポリアミンが含まれていることに注目が集まっています。

ポリアミンは発酵食品に豊富に含まれているのも特徴のひとつで大豆よりも納豆に含まれているように牛乳よりもチーズやヨーグルトに多く含まれています。なかでも納豆菌のなかに含まれるポリアミンの量は群を抜いています。ポリアミンを効率よく摂取するには、毎日1パックを目安に食べるのが最も手っ取り早く経済的な方法といえるでしょう。また、納豆には粒の大きさで複数の種類がありますが、大粒のものの方がよりポリアミンを多く含んでいます。一方、納豆嫌いな方も少なくないでしょうからそのような方は匂いや食感を感じずにサプリを使って摂取するのもおすすめです。

「細胞の生まれ変わりに大きく関与するポリアミンの働きや効能について」のまとめ

ポリアミンは細胞を新しく生まれ変わらせる際になくてはならい成分であり、欠乏すると新陳代謝がうまくできずに老化が進んでしまいます。納豆に豊富に含まれているので手軽に摂取することができます。

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