[監修済] 必須アミノ酸のひとつであるメチオニンの働きや効能、摂取の仕方について

メチオニン

[監修済] 必須アミノ酸のひとつであるメチオニンの働きや効能、摂取の仕方について

メチオニンは三大栄養素のひとつであるタンパク質を経口摂取することでしか体内に取り入れることができない必須アミノ酸です。肝機能にも大きく関わるというメチオニンの働きや効能、摂取の仕方について考えます。

メチオニンの働き

三大栄養素のひとつであるタンパク質は肉類や魚類、乳製品などから摂取するとアミノ酸に変化して体内で再合成されます。20種類以上あるといわれているアミノ酸のなかには体内で合成することができずに食品などから栄養分として摂取しなければならない必須アミノ酸が9種類もあります。必須といわれるようにこのなかの1種類でも欠乏してしまうと、筋肉や血液、骨などの合成に支障をきたしていまいます。メチオニンも必須アミノ酸のひとつで硫黄を含んだ含硫黄アミノ酸として肝機能を高めたりアレルギーを引き起こしてしまうヒスタミンの血中濃度を低下させたりする働きがあります。

人間の臓器のなかでも肝臓は毒素や老廃物を排出して代謝を促進し、脂質を乳化させる大切な機能を果たしています。メチオニンが欠乏すると肝臓の機能が低下してしまい、コレステロール値が上昇して動脈硬化の状態になってしまいます。また、利尿作用も低下してしまうことから毒素や老廃物が蓄積されてしまい体にむくみが生じます。肝臓でアルコールを分解する際にメチオニンが大量に消費されてしまうため、アルコール好きな方は積極的に摂取する必要があるといえるでしょう。

メチオニンの効能

肝機能を高めるために必要なメチオニンですが、アレルギー症状の緩和にも作用するといわれています。アレルギーは、体内の免疫細胞が外部刺激に過剰に反応してしまうことによって発症するもので花粉症などがそのよい例です。アレルギーの原因となるのが、免疫細胞から分泌されるヒスタミンが過剰状態となることであり、メチオニンを摂取することによってヒスタミンの分泌や働きを抑制してくれるため、アレルギー症状を緩和する効果が期待されています。

肝臓の解毒作用を活性化してくれるメチオニンは、ミネラルのひとつであるセレンと一緒に作用することで、水銀や鉛、カドミウムといった有害重金属の排出にも効果を発揮してくれます。消化器官だけでなく脳神経細胞や中枢神経に有害重金属が蓄積されることも防いでくれる効果があるため、体全体から毒素や有害物質を排出するのに重要な役割を担っています。このところ話題となっているデトックスですが、体の中からきれいにするためには必要不可欠な成分であるといえるでしょう。

メチオニンのアンチエイジング効果

加齢とともに老化が進行するのはある程度は避けることができないことですが、喫煙や紫外線、偏った食生活やストレスなどで急速な老化がみられる際は、体内細胞の不活性化が起こっている可能性があります。老化の大敵といわれるのが過剰な活性酸素の働きですが、メチオニンは抗酸化作用のあるミネラルであるセレンを運搬する役割を担っていることから、摂取することによって細胞の老化抑制や免疫力の向上に効果が期待されています。

加齢に伴って体力が衰える原因のひとつにクレアチン合成能力の低下が考えられていますが、メチオニンを摂取することにより、アルギニンやグリシンとともにクレアチン生成の栄養分となり体内エネルギーをつくりだすサポートをしてくれます。このように、細胞の老化防止と体力増強・免疫力の向上の両面から健康と若さを保つ働きをするメチオニンはアンチエイジングには必要不可欠な成分であるといえるでしょう。また、何種類ものアミノ酸が結合してつくられたケラチンを主な成分とする毛髪の健康にもメチオニンが深く関わっており、薄毛や抜け毛、男性型脱毛症の改善にも期待されています。

メチオニンの摂取

メチオニンは食品から摂取しなければならない必須アミノ酸であり、肉類や魚介類、乳製品豆類などに含まれています。アルコールを分解する際に大量に消費されるためお酒をよく飲まれる方はメチオニンが慢性的に不足している状態にあると考えられることから意識して摂取した方がいいでしょう。また、メチオニンは網膜を修復する機能もあるため、パソコンやスマホ、ゲームなどで目を酷使する人も積極的な摂取が必要といえます。また、一般的にもメチオニンが不足すると動脈硬化だけでなく利尿作用が低下するため体のむくみや感染症のリスクも高まる傾向があります。

メチオニンの目安摂取量は成人で体重1㎏に対して13㎎程度といわれており、過剰に摂取した場合には、嘔吐やめまい、低血圧などの症状とともに血液中のオモシステイン濃度が上昇してしまうため血中コレステロール値が上昇して動脈硬化の発症リスクを高めてしまう危険性もあるといわれています。食事で適正な量を摂取することが難しい方は、サプリを使って用量を確認しながら摂るのもおすすめです。