ラクトフェリンは母乳、特に初乳に多く含まれていることがわかっていますが、様々な効能があるラクトフェリンが含まれた食品や効果的な摂り方についてどのようなものがあるのかについて考えます。
ラクトフェリンを含む食品
ラクトフェリンは哺乳類の乳、特に人の初乳に多く含まれており、成分の摂り方には食品であればチーズやヨーグルト、脱脂粉乳やスキムミルクなどの乳製品からという方法があります。様々な効果が認められているラクトフェリンですが、熱に弱く加熱すると成分が壊れてしまうという難点があります。食品は安全性を確保するために殺菌処理を施すことがあり添加物を使用せずに加熱殺菌することが多いといえます。市販のチーズや牛乳のほとんどは加熱殺菌の処理が施されているためラクトフェリンの効果が得られる量を摂取するのは難しいかもしれません。
最近は技術の進歩により熱に弱いラクトフェリンの活性を維持したまま取り出すことができるようになり、様々な食品に含ませることも可能となってきました。なかでもラクトフェリンを配合してできるだけ母乳に近づけるようにつくられた乳児用ミルクも販売されるようになり、諸事情で母乳をあげたくてもあげられないお母さんと赤ちゃんにはとても嬉しい食品となっています。また、腸内環境を整えたり、ウイルスなどの感染を予防したりするために、相乗効果を得られる成分を配合したラクトフェリンのサプリも販売されているため、目的に合わせて手軽に摂取することが可能です。
ラクトフェリンの効果的な摂り方
熱に弱いラクトフェリンを食品から摂取するには加熱殺菌や煮沸殺菌などが施されていない搾りたての新鮮な生乳を飲むのが一番ですが、1日の目安摂取量とされるラクトフェリン100mg～200mgを生乳から摂取するには1リットル以上を飲まなくてはならない計算になります。搾りたての新鮮な生乳でなければ意味がないとともに加熱殺菌がなされていないとなると物理的な問題とともに経済性や安全性にも疑問が残ってしまいます。最近では手軽にラクトフェリンの効果が得られるサプリも研究開発が進んでおり、簡単に手に入れて摂取することができるようになっているので、それが一番賢い摂り方かもしれません。
ラクトフェリンの効果的な摂り方として、サプリを服用するタイミングですが、基本的には就寝前がいいといわれています。また、長い時間体内にラクトフェリンを留まらせてより効果を実感したいのであれば、1日２、3回に分けて服用するといいでしょう。免疫機能を高める機能性食品としても活用できるラクトフェリンは、これまでに副作用などの大きな問題は報告されておらず、安心して摂取することができますが、乳由来の成分なので牛乳などにアレルギーがある方は注意が必要です。
ラクトフェリンの消化吸収
食品から摂取されたラクトフェリンは、アミノ酸やペプチドに分解されてその一部は消化酵素の影響を受けずに腸まで到達します。腸まで達したラクトフェリンやペプチドの一部は腸管の免疫系に作用して体全体にその効果を発揮します。感染症の予防や健康の増進に作用するラクトフェリンはとても魅力的な栄養成分ですが、熱に弱いだけでなく胃酸や酵素にも弱いという性質があります。食品から摂取してもそのほとんどは胃の中で胃酸やペプシンなどによって分解されてしまいます。
ラクトフェリンを多く含む加熱処理されていない生乳でも同様にラクトフェリンの多くは胃の中で分解されてしまうので腸まで生きて届くラクトフェリン配合のサプリを上手に摂取することがおすすめといえるでしょう。生まれて初めて母乳からラクトフェリンを摂取する赤ちゃんに免疫機能の強化が問題なく行われる理由は、生まれたばかりの赤ちゃんの胃が未成熟な状態であり、ラクトフェリンを分解する胃酸やペプシンを十分に分泌することができないため腸に生きたまま届くからです。大人がラクトフェリンの効能を得るためにはいかにラクトフェリンが腸まで生きて届くかがカギになるといえるでしょう。
ラクトフェリンの効果
ラクトフェリンは食品から摂取することができても腸まで届けることが難しいためそのような設計がなされたサプリを服用するのが効果的であるといえます。胃酸やペプシンの影響を受けずにラクトフェリンを腸まで届けることがその効能を最大限に得るために必要なことになるのです。メーカーによっては半世紀以上にわたってラクトフェリンの研究開発に取り組んでいるところもあり、腸溶性のサプリも誕生しています。
ラクトフェリンの効果を実感するまでの時間にはそれぞれ個人差がありますが、他の健康食品よりも比較的早く効果が表れるといわれています。大切なことは継続して摂取することで、一回の服用量を増やすことではありません。天然の成分を補充していることになるので決められた量の腸まで生きて届く腸溶性サプリを規則正しく摂取するのが一番効果的な摂り方といえるでしょう。また、免疫力アップ、ダイエット、貧血の改善、便秘の解消、など目的別に特化してより効果が高まる栄養成分を併せているものもあるので、自分に合ったものを選ぶことができます。
「免疫機能の強化などの効能があるラクトフェリンを含む食品や摂り方について」のまとめ
美容や健康に様々な効果があるといわれているラクトフェリンは、熱とともに胃酸やペプシンの影響を受けやすいため食品から摂取するのは難しく、効果的な摂り方は腸溶性のサプリを適切に服用することといえます。
