ターメリックのイメージは、日本人にとってまさにカレーと言ったイメージが、かなり強いものと思われます。ターメリックは薬効もあり、様々な食品にも取り上げられていますが、どのような効果があるのか確かめます。
春ウコンと秋ウコン
ターメリックは、日本人にとってカレーに入れられている香辛料として特に有名なものですが、日本のカレー文化が始まったのは明治以降の事で、それ以前からもなじみの深いものだったのです。ターメリックは英語の名称で、日本では「ウコン」として長い間親しまれて来たもので、日本固有の食品として知られる、たくあんの黄色い色素はウコンの色で、布や紙に着色する染料としても非常に多く利用されて来たのです。ただし、食用にされているのは、苦みの少ない「秋ウコン」と呼ばれているもので、健康食品やサプリメントにされているものです。「秋ウコン」は近縁ですが別種のもので、効能にも違いがありますので間違いの無いように、理解しておかなければなりません。春ウコンは「姜黄」（きょうおう）と呼ばれるもので、春先にピンクの花を咲かせてくれますので、園芸にも使われる品種です。秋ウコンよりクルクミンが少ないという事もありますが、こちらは食用には不向きですが健康食品に使われています。秋ウコンは「ウコン」といいクルクミンが多く食用にされているのが特徴です。
ターメリックの栄養素とその効能
ターメリックの黄色い色素は、「クルクミン」と呼ばれるもので、ポリフェノールの一種であるクルクミノイドという成分で出来ています。秋ウコンには数多くの成分が含まれていますが、中でもこのクルクミンの含有量が一番多いので、ウコンの粉末は黄色い色をしているのです。このクルクミンの薬効には、抗腫瘍作用や抗酸化作用が知られているほか、抗アミロイド作用や抗炎症作用などの働きがあり炎症などを防いで切れる効果があります。アミロイドはある種のタンパク質で、体内器官にこのアミロイドが異常に蓄積すると、アミロイド症などの神経変性疾患の原因になるとともに、近年ではアルツハイマー型認知症の原因物質としても知られています。また、2型糖尿病やパーキンソン病、「狂牛病」とも呼ばれた伝達性海綿状脳症の原因物質とされ、ハンチントン病や甲状腺髄様癌、不整脈や動脈硬化症に関節リウマチなどにも関与しているのではないかと言われている物質です。ウコンはこうした原因となる、抗アミロイド作用を持っていますので、否応も無く注目されていると言っても良いでしょう。
ターメリックと健康の関係
うこんの主成分であるクルクミンには、優れた抗酸化作用がある事が知られており、フリーラジカル捕捉能を持っている為に、脂質の過酸化や活性酸素種によるDNA傷害を、防いでくれる役目があるとされていますので、老化の抑制にも寄与している事になります。ウコンは、古来から人間に活用されてきた素材で、生薬や漢方薬の素材をはじめ、カレーやたくあん、辛子食品などにも利用されており、民間的な傷薬や天然顔料として使われてきたほか、布や紙の染料として幅広く使われてきました。逆に言えばウコンには長い歴史があり、その副作用はほとんどないものとされているものですので、安心して服用される事をお勧めします。しかし、ワーファリンなどを服用している場合、クルクミンにも血小板凝集抑制作用が見られる事から、他の薬を服用している場合には、医師に相談してからにします。クルクミンの効用に関しては、いまだ解明されていない事もあり、大量の服用には注意しなければなりません。栄養素はバランスが崩れると良くないことは判っていますので、過度な服用はおやめ下さい。
ターメリックを使った健康料理
ウコンの主成分であるクルクミンは、その存在感を示す様に艶やかな黄色をしており、薬効にも優れたものが確かめられています。またウコンには豊かな精油成分がある事でも知られており、人間の消化活動には欠かせない胆のうの補助的成分も多く含まれているのです。胆汁の分泌を促進するターメロンやシネオールを始め、過多になった胆汁を排出する働きがあるパラメチトルイルカピノールなどが含まれており、体内のコレステロールを溶かす効果が見られるクルクメンや、腫瘍に対して増殖を抑える作用が実験で認められたエレメンなどが含まれているのです。こうしたウコンを健康に役立てるには、料理によって摂取するのが最適ですが、毎日カレーは流石にうんざりでしょう。しかし、ウコンは和食とも相性は悪くなく、炒めものや煮物に活用するのも良い方法で、温野菜などにも活用できます。カリフラワーやキャベツなどの野菜には、ゆで汁に塩をターメリックを入れる事で、色鮮やかなサラダに仕立てる事ができます。ポテトサラダや焼き飯など使う場面は様々あるのです。
「利用価値の高いターメリックの利用法と優れた効能」のまとめ
ターメリックは、サプリや健康食品にも利用されていますが、二日酔い防止などにも効く成分が含まれています。料理にしても、香り成分は心を落ち着け食欲を増大させる効果がありますので、こまめに使い分けていきましょう。
