パセリ

[監修済] 身近な野菜のパセリの隠された栄養価値と効能 

パセリが大好きで、これだけを食べるという方は少ないと思います。特に、お子さんの間では、嫌いな野菜のベスト5にも選ばれる野菜で、単独で食べても美味しくはありません。しかしパセリには優れた効能が秘められています。

パセリの歴史

パセリの原産地は、現在のヨーロッパ中南部から北アフリカにかけての地中海沿岸と言われており、古代ギリシャ時代から食用や薬用とされてきた植物です。日本にも昔からある野菜のひとつですが、特に好まれる事も無く逆に嫌われる野菜のひとつにもなっています。婚期を過ぎ、行き遅れた女性を意味した言葉に「パセリの君」という言葉もあり、ここにもパセリ忌避度が高い事が現れています。日本料理でも使われる事が無く、中華料理にも料理を彩る青みのひとつとして飾り付けられる程度で、家庭でもわざわざ購入する人も居ないせいか、スーパーでもあまり量を置いていない野菜です。嫌われる原因としては、食べると苦味があり匂いも独特の臭気がある事が挙げられますが、農薬が使われている事の影響で、味を更に悪くしているのがその原因でしょう。パセリは元々病虫害に強い野菜ですが、農薬を使うと食べる部分が葉の部分ですので、直接味の変化を感じます。日本には、18世紀ごろにオランダからもたらされたもので、本格的に栽培され始めたのは明治から大正にかけての時代でした。

パセリの栄養素

嫌われ野菜のパセリですが、その栄養価値には優れたものがあり、健康にはぜひ活用したい野菜のひとつでもあります。カロリー高いものはなく、ヘルシーなものとされ、ビタミンAを始めビタミンB1、ビタミンB2ビタミンCなど多くのビタミンを含むのがその特徴で、ミネラルを多く含みカルシウムやマグネシウム、鉄分など栄養素を含んでいます。このミネラルの多さは緑黄色野菜の中でもトップクラスの豊富さで、食物繊維や葉緑素、カリウムなども含んでいるのです。含まれている栄養素の豊富さとその含有量は、すべての野菜を見てもトップクラスの栄養価を誇っているのです。特筆する栄養素の中には、独自の香り成分の中に含まれている「アピオール」や「ミリスチシン」という成分で、これらはパセリの精油成分として知られており、口臭予防や食欲増進のほか、疲労回復や食中毒予防効果などが期待できるとされているものです。ただし、摂取のし過ぎは危険で、めまいや難聴、幻覚や低血圧、徐脈や錯乱、肝障害や腎障害の恐れがあり、肌に塗るのも皮膚炎の危険性が指摘されています。

パセリを利用した調理の数々

パセリには、日本に昔からある縮れた品種の他に、最近よくスーパーで出回っているイタリアンパセリがありますが、こちらは葉が平たく、風味や香りが柔らかいのが特徴で、同じセリ科の植物で中国パセリと言われるものが、シャンツァイです。シャンツァイは、タイ料理にもよく使われており、「パクチー」の名前であらゆるタイ料理に使われていますので、パクチーはタイ料理の味とも言う方も居るほどです。西洋でもよく使われており、こちらの名称は「コリアンダー」とされていますが、日本の縮れ種やイタリアンパセリとは全く違った風味や使い方で、まったく別種の野菜です。パセリは臭み消しに使われ、イタリア料理のブロードやフランス料理のフォン、ブイヨンに利用されているほか、料理には「パセポン」といった使い道をして利用しています。これは、細かくみじん切りにして刻んだ後に布などに包み込み、これを水で良く晒す事でアクを取り去ります。特有の香りも和らげる事ができますので、この状態で料理に使う事が多く、ピラフや魚フライのソースとしてタルタルソースには、欠かせない材料の一つになっています。

家庭でできるパセリ菜園

パセリは病虫害にも強い植物で、手間もかからないという事もあり、簡単に家庭菜園で作る事のできる野菜です。プランターで簡単に育てられるほか、使うのは葉の部分ですので、小まめに葉をとる事によって、摘心の代わりにもなり、こんもりした状態に育てる事ができるのです。種子には流産の危険のある物質が含まれており、堕胎作用や子宮と月経刺激作用がある為に、種子を口に入れる事は絶対におやめください。家庭菜園では、農薬を使わず安全に作る事ができますので、本来の味を楽しむ事ができます。種から育てると、時間がかかり難しいとの指摘がありますがそのような事はなく、ほとんどの野菜は収穫まで2,3か月は要しますし、手間が掛からない事を考えれば簡単に育てる事ができます。ただし真夏の強い光は避けた方が良く、日光を浴びすぎると葉が硬くなる原因になってしまいます。元肥を施したプランターに植えておけば、移動も楽ですので家庭菜園向けと言えるでしょう。葉が増えて来たら小まめに摘心する事で、葉の数が次々に増えていきますので、収穫も増えていきます。

「身近な野菜のパセリの隠された栄養価値と効能」のまとめ

パセリを育てると、アゲハチョウが卵を生みに来る事があります。子供にとっては良い観察になりますので、飼育しても良いでしょう。ただし、大量に葉を食べますので、人間の食べる分が無くなる可能性もあります。

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