リコリス

[監修済] キャンディーなどにも多く使用されているリコリスの特徴や効能などについて

古くからヨーロッパやアジアで薬草として馴染みの深かったリコリスは伝統医学でも長く利用されてきた歴史があります。強い抗酸化作用のある成分を含むリコリスの特徴や効能、摂取の仕方について考えます。

リコリスの特徴

リコリスはヨーロッパやアジアを原産のマメ科の多年草で地中海沿岸や中央アジアなど世界に幅広く自生している植物です。日本ではリコリスというよりも和名である甘草として知られており独特の甘みをもつハーブとして馴染みがあります。リコリスは人類が手にした薬草のなかでも最も古い歴史をもつといわれており、紀元前5世紀頃に編集された書物をはじめとして世界各国の薬典にも登場します。

古くから伝統医学で用いられてきたリコリスは特に漢方の処方で頻繁に利用されるハーブであり、根の部分に含まれるグリチルリチンという成分はショ糖の150倍ほどの甘みがあるといわれています。このグリチルリチンに抗炎症作用や肝機能増強作用に注目が集まったのは第二次世界大戦中のことであり、ヨーロッパではその後、関節炎や気管支炎、アレルギー症状などの治療薬として使用されるようになりました。漢方の処方では根や茎の部分を乾燥させたものを使い消化器や呼吸器の機能の向上や諸症状の緩和に効果を得ていました。また、リコリスは百薬の毒を解毒するものとして考えられており、生薬全体の調和を目的に使用されることも多かったようです。

リコリスが含まれる食品

リコリスには強い甘味成分であるグリチルリチンとともにフラボノイドも含まれており強い抗酸化作用があることから古くから喉によいとされてヨーロッパではキャンディーやグミ、ドリンクなどに幅広く使用されて子どもからお年寄りまで親しみがあります。抗酸化力が強いため化学添加物を一切使用しなくても賞味期限が長いというのも消費者にとって嬉しいポイントといえるでしょう。根から抽出されたエキスには、ほのかな森の香りと強い甘みと独特の風味があるためその風味をより印象付けたり、逆に風味を和らげたりした様々な商品が開発されています。

南イタリアなどでは、リコリスを加工せずに根そのものを販売している所もあり、昔、日本人がさとうきびをかじって甘みを楽しむのと同様の食べ方をしている地域もあります。また、濃厚な甘みのあるリキュールや料理用パウダーなどにも幅広く使われています。日本では、食品添加物の甘味料や醤油や漬物、水産加工品などの添加物として使用される一方でリコリスの含有成分であるグリチルリチンは、肝機能異常や湿疹、口内炎や皮膚炎の症状を緩和する医薬品に製剤として用いられています。

リコリスの効能

リコリスに含まれるフラボノイドも抗酸化作用があることで知られている成分であり、肌トラブルの代表ともいえるシミやそばかすの原因となるメラニン生成を抑制してくれる作用があることでも注目されています。さらに美白の働きをするグラブリジンという成分が含まれていることもわかっており、美白を目的とする化粧品にも多く配合されています。リコリスは、甘みがショ糖の150倍ほどもありながら低カロリーであるため、ダイエットに効果的な甘味料として古くから活用されています。さらに、リコリスに含まれているグラブラポリフェノールという成分が肝臓に働きかけて脂肪分解を促進して脂肪の蓄積を抑制してくれる作用があることもわかり、積極的なダイエット食品としても注目が高まるものとなりました。

リコリスに含まれているグリチルリチンは、優れた抗酸化作用があるためにウイルスや雑菌などに抵抗する力を高めてくれる働きがあるため食中毒の予防にも効果があるといわれています。喉飴に使用されることも多いのですが、その他にもうがい薬や歯磨き粉に配合されており、去痰作用や咳を鎮める効果もあります。また、ストレスや炎症を抑制してくれる副腎皮質ホルモンの働きを高める作用があることから免疫力強化にも効果が期待されています。

リコリスの摂取について

リコリスの中に含まれているグリチルリチンには、胃腸の粘膜を保護して胃の細胞を増殖させる作用もあり胃潰瘍などの症状の改善にも効果があるとともに優れた解毒作用をもつことで慢性肝炎やウイルス性肝炎などの予防にも高い期待がもたれています。また、ヒスタミンやアレルギーに対抗する作用があるため皮膚の炎症やかゆみなどを鎮めるのにも効果的であるため湿疹や接触性の皮膚炎などの症状の緩和にも効果があるといわれています。

リコリスは、食品に含まれている量を摂取するのであれば特に過剰摂取などの問題はありません。ただ、高い抗酸化力をもっているために4週間以上の長期間の摂取については医師への相談が推奨されており、過剰摂取するとむくみや頭痛、嘔吐や高血圧症などの副作用を発症することもあるので継続的な摂取には注意が必要です。また、リコリスは特定のホルモン活性を変化させる作用があると考えられているため、腎臓や肝臓に疾患がある方やうっ血性心不全などを患っている方は摂取を控えた方がいい場合もあります。

「キャンディーなどにも多く使用されているリコリスの特徴や効能などについて」のまとめ

ハーブキャンディなどにも利用されるリコリスには強い抗酸化作用がある成分が含まれており、消炎や鎮静、抗潰瘍などに優れた作用を発揮して臓器の機能や免疫力を高め、美肌やダイエットにも効果があります。

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