コレステロール

ヘスペリジンの驚くべき効能と効果【ビタミンPと呼ばれるポリフェノール】

ヘスペリジン、聞きなれない人がほとんどだと思われます。いまだ研究段階で効果がはっきりとしていないのがその認知度に現れているといえます。しかし、その働きや効能には、目を見張るものが知られています。

ヘスペリジンとはいったい何?

あまり聞きなれないヘスペリジンですが、ポリフェノールの1種で、天然のフラボノイドです。植物の成分に良く含まれており、植物の防御機能に関係していると考えられ抗酸化作用を持っている物質です。ビタミンではありませんが、ビタミン様物質の一部である為に「ビタミンP」と呼ばれております。ソバの実や果実のイチジクに含まれているルチンや、玉ねぎや果物に含まれるケルセチンもこのビタミンPの仲間に分類されています。

ルチンについてはこちら⇒ルチンの効能と効果

ケルセチンについてはこちら⇒ケルセチンの効果はアレルギー改善!

ビタミンPはビタミンではありませんが、人体で必要不可欠なビタミンと同じ様に重要な役割をする事で、ビタミンと似た役割である意味付けでビタミンPと名付けられました。

ヘスペリジンは、

  • グレープフルーツ
  • バレンシアオレンジ
  • レモン
  • ライム
  • みかん

などの柑橘類に多く含まれています。しかし、柑橘類全てに含まれているわけではなく、スウィーティーにはほとんど含まれていない事もわかっています。また、ヘスペリジンを含んでいる場所は、皮や内側の白い部分に多いほか、包状のじょうのうにも多く含まれています。

そもそもポリフェノールとは?

最近耳にすることの多いポリフェノールですが、このポリフェノールとは

ほとんどすべての植物に含まれる、植物特有の色素や苦み・渋み成分

を総称したものです。その種類は5000を超えるともいわれています。

ポリフェノールにはこんなにもの種類が!⇒ポリフェノールの驚きの種類!

温州みかん

日本でヘスペリジンを含む食品は、八朔(はっさく)橙(だいだい)、そしてみかんです。だいだいは果汁としての利用頻度が高く、皮や白い部分はえぐみがあり硬くて食用には向きません。また、はっさくは量が少ない事もありますが、こちらも皮が硬くえぐみが強いので調理するには一苦労です。

しかし、日本のミカンを代表する温州みかんであれば、皮ごと食べる事も問題ありませんが、元々日本人はみかんを皮ごと食べる食習慣がありませんので、周りに好奇な目で見られる事でしょう。ただし、このヘスペリジンは、完熟したミカンには余り含まれていないのです。ヘスペリジンを紹介する記事で、単にみかんと記しているのを見かけますが、通常のみかんと青みかんではその含有量に大きな差がある事を理解しておきましょう。

青みかん

温州みかんの収穫期は通常夏場以降ですが、まだ成熟していない青みかんは、乾燥させた状態で測ってみると、ヘスペリジン含有量が10%をこえるものです。しかし、完熟期を迎える11月頃では、乾燥量でその比重が1%程度に下がってしまうのです。また、それ以降は限りなく0に近づく事もわかっています。

ヘスペリジンの働きとその効能

ヘスペリジン働きには様々な効能がありますが、一番効果が期待されているのは抗酸化作用による活性酸素除去でしょう。また、毛細血管を強化る働きがあり、血流を改善する作用を及ぼしますので、冷え性改善には力強い味方となってくれるでしょう

冷え性

また意識しておきたいのがこの血管を構成しているコラーゲンで、ビタミンCと共に摂取する事でヘスペリジンとの共同作業によって、強い血管を作り上げてくれます。また血液は大事な酸素や栄養素、酵素などを運ぶ役割も担っていますので、健康にも多大な貢献をしてくれる事でしょう。

血管

血管強化の作用は生活習慣病とも深く関係しており、高血圧の予防効果もあります。また、悪玉コレステロール値や中性脂肪の数値を下げる効果もありますので、血液の循環を滑らかなものにしてくれるのです。

さらに、ヘスペリジンには、骨密度の低下を抑制するという作用が認められている為、骨粗しょう症などの予防にも繋がる事で、丈夫な骨の形成にも役立っています。

ヘスペリジンを効率よく摂るには

日本では、あまりみかんの皮を食べるような習慣はありませんが、知らないうちに摂っている場合もあります。中華料理に使われる陳皮とはみかんの皮を乾燥させたものです。中華料理に使われる五香粉にも使われ、伝統的な七味唐辛子にもこの陳皮が含まれる事も多いのです。また、柚子湯を代表する柑橘風呂は冬至の風習として親しまれておりますが、柑橘系のお風呂にはヘスペリジンの効能が働き、通常の風呂と比べると4倍もの差で血管が広がりやすいとの結果も出ています。昔の人々はこうした効果を、体感的に知っていたのでしょう。

ただ、ヘスペリジンは光や熱または酸化に非常に弱いとされている物質で、マーマレードを始めとする甘露煮などの調理には不向きであると言わざるを得ません。また生食においても、その吸収力が非常に弱い成分とされているのです。

したがって効率よく摂るには、生で青みかんの白い部分や袋を沢山摂るしかありませんが、最近のサプリメントでは、この吸収力を10倍にしたものも出回っていると聞きます。冷凍青みかん以外では効果が薄いので、こうしたサプリであれば季節を問わず利用できるでしょう。

ヘスペリジンの驚くべき効能と効果【ビタミンPと呼ばれるポリフェノール】のまとめ

柑橘類に多く含まれるヘスペリジンは、非常にデリケートな成分である事がわかりました。しかしその働きや効能は目を見張るものがありますので、ぜひ日常の食生活でも摂りいれていきたいものです。

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